フットケアをしながら悲しくなる
骨折の手術をしても痛みがとれるわけではない
初めてフットケアを受けた85歳の女性・・・施設に入っていて、歩けず、車いすの生活・・・排尿困難があり、尿の管を入れたまま生活。ある時、転んで、足の骨を折ってしまいました。入院して手術を受けましたが、歩けるようになったわけではありません。骨折の痛みはないのでしょうが、車いすに座っていても「おしりが痛い」ベッドに寝ていても「背中が痛い」という生活を送っているようです。
順番が間違っている
通常フットケアは、60分かけてケアをしてゆきます。ところが、60分座っていることが困難な方もいらっしゃいます。本当は、そんな方にこそ60分かけてケアをしたい足や爪の状況なのですが・・・時間との勝負になってしまいます。
足や爪をできるだけよい状態にしたいという思いで、優先順位を考えながら苦痛の訴えがきかれる前に終わりにしようと思いながらケアしていると悲しい気持ちになってきました。
もっと早く足や爪の状態をよくしておけば
「今も歩けたのではないか」
「転ばなかったのではないか」
「骨折することもなかったのではないか」
「自分でトイレに行けたのではないか」
「尿の管を入れたまま過ごすことはなかったのではか」
「車いすは必要なかったのではないか」
「認知症にならずにすごせたのではないか」などなど・・
今の病院は、西洋医学を主体としていて、「病気になったら治してもらう所」=「治療」をするところです。病気にならない、けがをしないための「予防」=「手当」=「ケア」というプロセスがありません。これを、病院ですることではないとすれば、何か違う形で、病院と同じような位置づけのなにかが必要です。気を付けていても病気やけがをすることはあるけれど、なにもせず「治療」という現状は、順番が間違っていると思います。医者が、治療をすることで感謝されて社会的地位が高いことにも違和感を感じてしまいます。いろんな順番が間違っている感じがします。